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空を行く鳥が翼に孕むのは    






青い蛙は上を見ていた


ただただ上を見ていた


馴染みの桃色の蛙に何をしているのか訊ねられる


青い蛙は鳥を見ていたと答えた


以前いた黄色い蛙と緑の蛙――もとい2人の人間を思い出していたと青い蛙はつづける




ついこの間まで隣にいたのに


いつの間にか記憶をなくし


いつの間にか人になって


今では到底手の届かない存在となってしまった2人



オレ達にとって再び2人と交わることは

空を行く鳥が翼に孕む風に触れるのと同じだ

今思えば人間と友達になるなんて後にも先にも一度きりだったんだろうな


青い蛙が言うと


桃色の蛙は後にはもうないが先にはあるかもしれないぞ

と大真面目な顔をして返してきた


もう触れることもできないのに?

適当なことを言うな


適当じゃねえよ

感じるんだ


それだけ言うと桃色の蛙は友人のもとへ行ってしまった


青い蛙は桃色の蛙になわばりから出ないよう忠告した後

蛙様の石像の近くで鳥を見ていた2人の少年を見上げた




彼らもまた 触れられない風を感じていた










空を行く鳥が翼に孕むのは

彼らが手にした種族を越えた奇跡の友情